発売日、仕事の昼休みに書店に行き、昼休みの間に泣くの堪えながら読みました。

最後までブレることなく、人気があるからと無駄に引き伸ばすこともなく、本当に真っ直ぐに完結した作品でした。読者としてそれが本当に嬉しかった。
人間の向き合う様々な辛い現実、人間が生きる為に奪っていく幾つもの命、乗り越えていくしかない大切な人との別れ、そんなものを目を逸らさずに、けれどきっちりと『少年漫画』として重すぎることもなく、爽快感も笑いも伴って描ききった荒川先生の力量には本当に感嘆するばかりです。
やはり幼い頃から「生きる」=「他の命を食す」という人間の真理を目の辺りにしてきた方だからこそ、描けた物語だったのかなと思います。
誰もが罪を背負ってる。誰もが傷を負っている。でも、挫けなければ必ず前へ進める。
そんなメッセージを決して押し付けがましくなく伝えてくれる作品でした。
そして、作品としては完結していても登場人物たちの人生はしっかりと続いていく、という未来に溢れた終わり方も、最終巻までそれぞれのキャラクターがちゃんと「生きて」きたからこそ成立したもの。彼らの未来に幸多かれと素直に祈りながら本を閉じられることのなんと幸せなことか!
またその感動的な終わりの後の4コマが完膚なきまでにギャグなことのなんと素晴らしいことか!(笑)
肝心なとこで噛むエドに半泣きで噴き出したよ!
しかしさらにその後に続くフィナーレ。
始まりの「彼女」はずっとあそこで息子たちを見守り、夫を待ってたんだろうか。
悲しすぎる始まりに対し、なんて優しい終わりだったんだろう。

それから。
折り返しのところに書いてあった荒川先生の言葉に本当に泣いた。
「登場人物には、なるべく挨拶とお礼の言葉を言わせるようにした」
人と人との繋がりの大切さを、本当に分かっている人だからこそ出来ること。この物語のフィナーレは、まさしくそんな登場人物たちだったからこそ迎えられたものだった。
ブレない物語の芯は、こんな小さなところにあったんですね。
有難う、エド、アル。
有難う、荒川先生。


…でもってカバーをめくるとまた笑うのだ。最後の最後まで素敵な物語だった!!

コメント

らりほ〜Aプ
2010年11月25日17:34

私も電車の中で読んでて泣くのをこらえた直後に
「ピタゴルァスイッチ」で耐えきれず吹きました。
こういうメリハリが上手い作家さんですよね〜。

晶左
2010年11月26日11:12

姐さん>あくまでシリアスな本編のシーンをポコっとギャグ(しかも破壊力でっかい)に変換できるのが荒川先生の凄いところですよね~。やはりタフネスであればこそ!なのかなー。

nophoto
さゆま
2010年11月27日16:33

こんにちは、さゆまです。
同類がアチコチにいて嬉しいです♪
恥ずかしながら私は耐え切れず、仕事中に機械の画面見ながら泣いてました。
でもみんな画面集中してるから気がつかないと言うw
もうハラハラしながら待ってなくていいのと、終わっちゃったんだという寂しさで複雑です。

晶左
2010年11月29日11:13

さゆまさん>こんにちは~、やっぱりあれは泣きますよね…!帰宅後、また全巻引っ張り出して読み直し、ホーエンハイムの「でもやっぱり死にたくねぇと思っちゃうなぁ」で堪えきれずに号泣しました。本当に、完結してよかったなぁという気持ちと、終わっちゃって寂しいなぁという気持ちが混在する感じです。いい漫画でしたね~!

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