※よ〜う。この日記は、九龍妖魔学園紀のクリア後ボーナス使用設定のパロディ小説だぜ?基本的にオリジナル設定でネタバレ前提、主人公はオリジナル要素でいっぱいって話だ。未クリア、又はそういうパロディが嫌いなヤツは閲覧に注意した方がいいな。お兄さんの言うことは聞いとけって、な?(鴉室)
※※※※※※※※
まったく、俺としたことが何をやっているんだ。
苛立ちに似た奇妙な感情に、無意味に髪をかき回す。
視線の先には、いつの間にかひどく見慣れてしまった《転校生》2人の背中があった。
軽妙なステップで無駄にうろうろと歩き回っているくせに、足音をまったくたてていない葉佩と、何気なく歩いているだけのように見えるが、その実欠片の隙も無い姿勢を崩さない緋勇。
歩き姿だけでも分かるように、この《自称・双子の兄弟》は見た目の能天気さやおっとりした雰囲気を裏切って余りある油断ならない連中だ。
・・・・だが。
「・・・なんで俺がこんなことを・・」
思わず洩らした俺の愚痴を耳ざとく聞きつけ、2人が振り返った。
「まーだ言ってんのかヨ甲やん。いいじゃん宇宙人の1匹や2匹!か弱い婦女子の為ならば、倒すが男の花道ってもんだろサ?」
真顔で《転校生・弟》が訳の分からんことを言う。
「そんなもん出たところで倒せるか!そもそも宇宙人なんて居るわけないんだ。八千穂の空想に決まってるだろうが!」
「ははは、アホだな甲やん。世界は不思議で一杯なんだぞ、宇宙人も地底人も海底人も天空人もみんなみんな生きているんだ友達なんだヨ」
「阿呆がアホ呼ばわりすんじゃねェ!そんな友達いるか!」
「声でけーヨ甲やん」
「くッ・・・」
コイツは本当によく分からん。ただのアホなのか、それとも裏にあるものを隠すためにくだらないことをほざいてるだけなのか。
・・・いや、ただのアホの可能性が高い気はするが。
「・・・・」
頭を抱えた俺の横で、《転校生・兄》こと緋勇龍麻・・いや、緋勇龍音、が声を殺して笑っていた。
「おい、ひーちゃん・・」
「・・いや、ごめん」
何か言ってやろうと口を開くが、それより早くこの奇妙な男・・女、はいつもの穏やかな『年上の』表情に戻ってしまっていた。
「ちッ・・」
何故か面白くない気分が湧き上がり、小さく舌打ちをして、そんな自分に気付いてまた面白くなくなる。悪循環だ。
結局有耶無耶のうちにまた再開された女子寮の見回りへと(不本意だが)加わりながら、俺は自分に問いかけた。
いったいどうなっているんだ本当に。
例の宇宙人騒動に踊らされた八千穂が、『最近女子寮に出る怪しい人影』=『宇宙人』という常識の欠片も無い大胆な推測に基づき、俺たち3人を対宇宙人用生贄として女子寮周辺に配置してから早30分。
睡眠時間を削らされた挙句、月明かりと夜風に身を晒し、女子寮周辺を人目を忍んで徘徊するという異常な行為を強いられて、そのくせ何事も発生しないという無駄な状況に、いい加減俺はイライラしていた。
出たものといえばせいぜい覗き目当ての校務員と、自称探偵の頭の悪そうな男くらいだ。大体宇宙人など出るわけが無い。面倒なので無視したが、おそらくあいつらのどちらかがその「宇宙人」の正体なんだろう。まったく、無駄にも程がある。
・・・だというのに、だ。
「うーむ、カレーレンジャーに宇宙刑事か・・流石天香、地下に遺跡のある高校、なんでもありだネ。こりゃまいった!」
「誰がカレーレンジャーだッ!」
「・・・・」
「お前もまた笑うなッ!」
なんでこいつらは無駄に楽しそうなんだ?
それに俺は・・・なんでこいつらにここまで付き合っているんだ?
くだらない。宇宙人なんていやしない。女子寮の周りなんか歩き回らせやがって、見つかったら俺たちが変質者扱いだ。眠い。ダルい。
「・・・・ったく・・」
だのに、何故だ?
文句なら呆れるほど出てくるというのに、それでも俺は帰らずにまだこいつらといる。
監視の為か?
・・いや、こんなことを監視して何になるんだ。
まったく、一体俺はどうしちまったっていうんだ?
さっぱり答えの出ない疑問に、俺が無意識でアロマを深く吸い込んだ・・・その瞬間。
眩い光が俺たちの目を打った。
「な、何!?」
「・・眩しい」
「いったいなんだ!?」
強い光に視力の殆どを奪われつつも、辛うじて確認したその先には。
【ワレワレハ、ウチュウジンデアル・・・】
俺の思考を完全に破壊するに足る、人外の存在が居た。
ちょっと待て。
俺の理性が気だるげに静止をかける。
なんだこれは有り得ないにも限界というものがあるだろういくらここが天香でも冗談が過ぎる悪質だふざけるなetc。
しかし、そんな頭に浮かぶありとあらゆる突っ込みを制して余りある静けさに、俺は激しく動揺していた。
(おい、なんで2人とも何も言わないんだ?)
この非常識な事態にひーちゃんはともかく口数の多いことこの上ない九龍までが黙って『ウチュウジン』の話に耳を傾けている。
(まさか)
信じ難い。が、もしかしてこれは、本当に。
(俺たちは・・・)
この世には、俺たちの理解を超えるものが、本当にあったというのか・・!?
【ワレワレノ邪魔ヲシテハナラナイ・・地球人ヨ】
未知との遭遇。そんなものが本当に、今俺たちの目の前にあるのか・・・。
俺は・・今までなんて狭い世界で物を見ていたんだろうか。
こみ上げる熱い思いに、俺はおそらく同じような思いを抱えているだろう2人へと呼びかけた。
「ひーちゃん、九龍・・俺たちは今まさに人類の新たな出会いの瞬間に立ち会っているんだな・・」
そうか、こんな世界もあるのか・・・。俺は今まで頑な過ぎたかもしれないな・・・。世界は・・世界にはまだ・・・。
ぶつッ。
・・・・・・なんだ?急に暗く・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
「・・・・宇宙人?」
九龍の疑問符が、俺の頭を急速に冷やした。
薄ぼんやりとした闇の中、月明かりに浮かぶシルエットは、先程の強いスポットライトの中と違い、その造形をほぼ露にしていた。
巨大な頭。
頭に比べ、小さい体。
異様な顔面。
それは。
それは・・・・・!!!
執行委員の朱堂じゃねぇかァァァァァ!!!!
俺はやり切れなさと怒りと羞恥とその他諸々の全てを込めて手に持っていた缶コーヒーをヤツの顔面にぶち当てた。
鼻が何故陥没しなかったのかが不思議になるくらい綺麗なクリーンヒットだったが、それが僅かでも俺の心を癒せるかといったら・・・・・・そんなことがあるわけねぇだろうが!!!!
「お前ら、武器を持って来い」
おそらく墓場へと逃げ込む心づもりなのだろう朱堂を追いながら、俺はひーちゃんと九龍にそう告げた。
無論そこには罠が・・・・・あるかぁぁ!
罠なんざどうでもいい。今回に限り、俺は腹の底から願っていた。
『《転校生》が《執行委員》をブチのめしますように』と。
そして俺は墓場でアロマを吸いつつ、武器とバディを完備した奴らが来るのを待っている。
早く戻って来いひーちゃんに九龍ーーー!!
TO BE CONTINUED。
※※※※※※
久々更新は、アロマVSすどりんです。いったいどうなるやらと思っていたらこうなりました(苦笑)。今までさんざんポエマーってましたがやはりここで駄目になったか皆守甲太郎よ・・・・。さて、次は・・・次は・・・す、すどりん・・・?
※※※※※※※※
まったく、俺としたことが何をやっているんだ。
苛立ちに似た奇妙な感情に、無意味に髪をかき回す。
視線の先には、いつの間にかひどく見慣れてしまった《転校生》2人の背中があった。
軽妙なステップで無駄にうろうろと歩き回っているくせに、足音をまったくたてていない葉佩と、何気なく歩いているだけのように見えるが、その実欠片の隙も無い姿勢を崩さない緋勇。
歩き姿だけでも分かるように、この《自称・双子の兄弟》は見た目の能天気さやおっとりした雰囲気を裏切って余りある油断ならない連中だ。
・・・・だが。
「・・・なんで俺がこんなことを・・」
思わず洩らした俺の愚痴を耳ざとく聞きつけ、2人が振り返った。
「まーだ言ってんのかヨ甲やん。いいじゃん宇宙人の1匹や2匹!か弱い婦女子の為ならば、倒すが男の花道ってもんだろサ?」
真顔で《転校生・弟》が訳の分からんことを言う。
「そんなもん出たところで倒せるか!そもそも宇宙人なんて居るわけないんだ。八千穂の空想に決まってるだろうが!」
「ははは、アホだな甲やん。世界は不思議で一杯なんだぞ、宇宙人も地底人も海底人も天空人もみんなみんな生きているんだ友達なんだヨ」
「阿呆がアホ呼ばわりすんじゃねェ!そんな友達いるか!」
「声でけーヨ甲やん」
「くッ・・・」
コイツは本当によく分からん。ただのアホなのか、それとも裏にあるものを隠すためにくだらないことをほざいてるだけなのか。
・・・いや、ただのアホの可能性が高い気はするが。
「・・・・」
頭を抱えた俺の横で、《転校生・兄》こと緋勇龍麻・・いや、緋勇龍音、が声を殺して笑っていた。
「おい、ひーちゃん・・」
「・・いや、ごめん」
何か言ってやろうと口を開くが、それより早くこの奇妙な男・・女、はいつもの穏やかな『年上の』表情に戻ってしまっていた。
「ちッ・・」
何故か面白くない気分が湧き上がり、小さく舌打ちをして、そんな自分に気付いてまた面白くなくなる。悪循環だ。
結局有耶無耶のうちにまた再開された女子寮の見回りへと(不本意だが)加わりながら、俺は自分に問いかけた。
いったいどうなっているんだ本当に。
例の宇宙人騒動に踊らされた八千穂が、『最近女子寮に出る怪しい人影』=『宇宙人』という常識の欠片も無い大胆な推測に基づき、俺たち3人を対宇宙人用生贄として女子寮周辺に配置してから早30分。
睡眠時間を削らされた挙句、月明かりと夜風に身を晒し、女子寮周辺を人目を忍んで徘徊するという異常な行為を強いられて、そのくせ何事も発生しないという無駄な状況に、いい加減俺はイライラしていた。
出たものといえばせいぜい覗き目当ての校務員と、自称探偵の頭の悪そうな男くらいだ。大体宇宙人など出るわけが無い。面倒なので無視したが、おそらくあいつらのどちらかがその「宇宙人」の正体なんだろう。まったく、無駄にも程がある。
・・・だというのに、だ。
「うーむ、カレーレンジャーに宇宙刑事か・・流石天香、地下に遺跡のある高校、なんでもありだネ。こりゃまいった!」
「誰がカレーレンジャーだッ!」
「・・・・」
「お前もまた笑うなッ!」
なんでこいつらは無駄に楽しそうなんだ?
それに俺は・・・なんでこいつらにここまで付き合っているんだ?
くだらない。宇宙人なんていやしない。女子寮の周りなんか歩き回らせやがって、見つかったら俺たちが変質者扱いだ。眠い。ダルい。
「・・・・ったく・・」
だのに、何故だ?
文句なら呆れるほど出てくるというのに、それでも俺は帰らずにまだこいつらといる。
監視の為か?
・・いや、こんなことを監視して何になるんだ。
まったく、一体俺はどうしちまったっていうんだ?
さっぱり答えの出ない疑問に、俺が無意識でアロマを深く吸い込んだ・・・その瞬間。
眩い光が俺たちの目を打った。
「な、何!?」
「・・眩しい」
「いったいなんだ!?」
強い光に視力の殆どを奪われつつも、辛うじて確認したその先には。
【ワレワレハ、ウチュウジンデアル・・・】
俺の思考を完全に破壊するに足る、人外の存在が居た。
ちょっと待て。
俺の理性が気だるげに静止をかける。
なんだこれは有り得ないにも限界というものがあるだろういくらここが天香でも冗談が過ぎる悪質だふざけるなetc。
しかし、そんな頭に浮かぶありとあらゆる突っ込みを制して余りある静けさに、俺は激しく動揺していた。
(おい、なんで2人とも何も言わないんだ?)
この非常識な事態にひーちゃんはともかく口数の多いことこの上ない九龍までが黙って『ウチュウジン』の話に耳を傾けている。
(まさか)
信じ難い。が、もしかしてこれは、本当に。
(俺たちは・・・)
この世には、俺たちの理解を超えるものが、本当にあったというのか・・!?
【ワレワレノ邪魔ヲシテハナラナイ・・地球人ヨ】
未知との遭遇。そんなものが本当に、今俺たちの目の前にあるのか・・・。
俺は・・今までなんて狭い世界で物を見ていたんだろうか。
こみ上げる熱い思いに、俺はおそらく同じような思いを抱えているだろう2人へと呼びかけた。
「ひーちゃん、九龍・・俺たちは今まさに人類の新たな出会いの瞬間に立ち会っているんだな・・」
そうか、こんな世界もあるのか・・・。俺は今まで頑な過ぎたかもしれないな・・・。世界は・・世界にはまだ・・・。
ぶつッ。
・・・・・・なんだ?急に暗く・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
「・・・・宇宙人?」
九龍の疑問符が、俺の頭を急速に冷やした。
薄ぼんやりとした闇の中、月明かりに浮かぶシルエットは、先程の強いスポットライトの中と違い、その造形をほぼ露にしていた。
巨大な頭。
頭に比べ、小さい体。
異様な顔面。
それは。
それは・・・・・!!!
執行委員の朱堂じゃねぇかァァァァァ!!!!
俺はやり切れなさと怒りと羞恥とその他諸々の全てを込めて手に持っていた缶コーヒーをヤツの顔面にぶち当てた。
鼻が何故陥没しなかったのかが不思議になるくらい綺麗なクリーンヒットだったが、それが僅かでも俺の心を癒せるかといったら・・・・・・そんなことがあるわけねぇだろうが!!!!
「お前ら、武器を持って来い」
おそらく墓場へと逃げ込む心づもりなのだろう朱堂を追いながら、俺はひーちゃんと九龍にそう告げた。
無論そこには罠が・・・・・あるかぁぁ!
罠なんざどうでもいい。今回に限り、俺は腹の底から願っていた。
『《転校生》が《執行委員》をブチのめしますように』と。
そして俺は墓場でアロマを吸いつつ、武器とバディを完備した奴らが来るのを待っている。
早く戻って来いひーちゃんに九龍ーーー!!
TO BE CONTINUED。
※※※※※※
久々更新は、アロマVSすどりんです。いったいどうなるやらと思っていたらこうなりました(苦笑)。今までさんざんポエマーってましたがやはりここで駄目になったか皆守甲太郎よ・・・・。さて、次は・・・次は・・・す、すどりん・・・?
コメント