※・・やぁ。この日記は九龍妖魔学園紀のクリア後ボーナス使用設定で進むパロ小説だよ。基本的にオリジナル設定でネタバレばかりだから、閲覧には注意して欲しい。・・ごめんね(緋勇)
※※※※※※※※
なにもかもが、あっという間だった。
葉佩クンと緋勇クンが『変身』しちゃった!と驚く間もなく、緋勇クン・・・いやいや、えーと、元緋勇クンの今は・・緋勇サン?
と、とにかくそのあたしが見てもぼーっとなっちゃうようなものすごい綺麗な女の人は、おかしくなっちゃってた取手クンを一瞬で倒してしまった。
もーホントに一瞬。
何か光ったような気もしたけど、あたしには早すぎて全然わかんなかったんだよねー。隣にいた皆守クンが「馬鹿な・・」とかなんとか言ってたみたいだけど、皆守クンには何か見えたのかなぁ。
でも、凄かったのはそこから、だった。
ぐったり倒れちゃった取手クンの身体から黒い砂みたいなものが出てきたと思ったら、その黒いものが集まって大きなおばけになっちゃったのッ!!今までも変なおばけが出てきたけど、こんな大きくて怖そうなのは初めてだし、それに今までのおばけは全部葉佩クンが銃で倒してたし、もうどうしよう!ってパニックになりかけたあたしの目の前で、緋勇サン・・ああもういいや、緋勇クンで!でね、緋勇クンが、皆守クンの方を振り返って言ったの。
「ごめんね、この子をお願い」
その声は・・・・間違いなく、女の人の優しい声だった。
「・・あ、ああ・・・」
皆守クンは慌てたように緋勇クンに駆け寄って、気を失ったままの取手クンを受け取った。
「ありがとう」
お礼を言った緋勇クンは、迷いもしないで真っ直ぐその大きなおばけに向かって行った。
「お、おい!」
止めようとする皆守クンの前に、『邪魔するな』とでも言ってるみたいにカラスのCROWクン・・・えーと、こっちも葉佩クンでいいやッ!葉佩クンがばさばさ羽ばたいてから降り立った。
そして、それに気を取られてる間に、緋勇クンはおばけの前に進み出て・・・・。
「おいで。あなたの役目を終わりにしてあげる」
そんな優しい声と一緒に、飛びかかってくるおばけに手を伸ばした。
ただ伸ばしただけ。
何もしていないはずなのに、おばけは、緋勇クンに襲いかかろうとした姿勢のままで止まった。
「あッ・・!」
違う、止まったんじゃなかった。緋勇クンの細い腕が、何倍も大きなそのおばけを、止めていたんだ。
「・・・・・おやすみなさい」
少し悲しそうに緋勇クンが言うと、おばけがふわーっと金の光に包まれて、それから、ゆっくり消えていった。
・・・・今の、なに?
びっくりして口を開けたままのあたしと、多分同じようにびっくりして口もきけないんだろう皆守クン。
そのびっくりした目の中心にいる緋勇クンは、おばけがキレイに消えてしまった後、まるでなんにもなかったみたいにあたしたちの前まで戻ってきた。
「・・・元に戻ると制服のサイズが合わないのね。ミサちゃんに何とかして貰えないかな」
その途中、ちょっと困ったような独り言が聞こえてきて、あたしは『ミサちゃん』というのが誰なのかすごーく気になったりしたんだけど・・・。
緋勇クンが正面に立ったとき、またしてもそんなことは頭の中からすっ飛んじゃった。
だって、だって、もう本当に本当にキレイなんだもん・・。
男の子の時もキレイだったし、ドキドキしたけど、今の方がそれよりもっとキレイ。・・というか、キレイなのにカワイイ・・!
長い黒髪は少しだけ端っこがくるん、とくせっ毛で、緋勇クンが歩くとふわんと揺れる。
女の人としては背が高いけど、くりくりっとした大きな目が可愛くて、なんだかちっちゃいように錯覚しちゃう。
きっと年はあたしたちより上・・ヒナ先生と同じか、もうちょっと下かなぁ、そのくらいに見えるんだけど、でもとにかくキレイでカワイイ。
どうしよーッ、ドキドキしてきたよ!あたしッ女の人にドキドキしたのなんて初めてなんだけどーッ!!
なーんてあたしが1人で真っ赤になってへたり込んでたら、緋勇クンがこっちを見て、にこっと笑った。
「驚かせてごめんなさいね。・・こっちの姿だと話し難いかな。九龍」
「カァ」
呼ばれた葉佩クンが嬉しそうに緋勇クンの肩に留まる。緋勇クンは葉佩クンの頭をちょん、と指でつついた。
「・・段々馴染んで来てない?解呪するから降りてね」
「・・かー」
不本意そうな鳴き声に、なんだかちょっとおかしくなって吹き出しちゃった。カラスになっても葉佩クンてば葉佩クンなんだなー。
葉佩クンが飛び立つと、緋勇クンはさっき聞いたのと同じような言葉を唱えた。・・・変身の呪文・・???
「葉佩九龍を捕らえし呪式を我が身に降ろす。・・我が名『龍音』を今ひとたび『龍麻』とせよ」
たつね・・?それが、緋勇クンのホントの名前なの?
ハテナいっぱいのあたしは2度目になる『変身』をじーっと見つめてた。
カラスの黒い羽がばーっと広がったかと思うと、その羽の間からにょきっと人間の足が伸びた。羽ばたいた翼が一気に人間の腕に替わり、その姿が葉佩クンになる。うひゃー、ほ、ホントに映画かアニメみたい・・。
その横で、緋勇クンの長い黒髪がふわっと舞い上がったかと思うと肩のあたりまでの部分が魔法みたいに消えた。細い手足がすっと伸びて男の子のサイズになる(それでもかなり細いんだけど)。
振り向いたその姿は・・・転校してきた時のままの『緋勇クン』だった。
「おまえら、一体・・」
あの皆守クンが、動揺しまくりな声でそう聞いた。
うん、流石にこれは誰でもそう聞くよね・・あたしも聞きたい!
と、意気込んだのだけれども、それはあっさり緋勇クンと葉佩クンの言葉に先延ばしにされちゃった。
「・・その話は・・」
「ま、外に出てからにしよーヨ。取手もそろそろ気が付くだろーしさ」
・・まぁ確かにこんなとこじゃゆっくり話もできないんだけど・・。
で、結局。
その後、気が付いた取手クンは、元の取手クンに戻ってた。
「ありがとう」って言ってくれて、嬉しかったなぁ。
緋勇クンたちにもこれから協力したいって!うんうん、これこそ青春だよね!
・・・って。
肝心の話はどうなったのかって?
・・・それが、またもあっさり先延ばしにされちゃった・・・。
「取手君はまだ本調子じゃないだろう。長話は明日にして、今日はもう帰った方がいい。それに・・」
それに?
「・・・僕たちも、『昼』の方が話しやすいんだ」
意味深に微笑んだ緋勇クンに、あたしも皆守クンも、全然逆らえなかったんだ〜・・・。
ああもう!気になる〜ッ!!君たちって本当に何者なのッ?
TO BE CONTINUED。
※※※※※※
さてさて、まだ正体不明なままの変身緋勇&葉佩。詳しいネタばらしまでもうちょっとかかりそうです。
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なにもかもが、あっという間だった。
葉佩クンと緋勇クンが『変身』しちゃった!と驚く間もなく、緋勇クン・・・いやいや、えーと、元緋勇クンの今は・・緋勇サン?
と、とにかくそのあたしが見てもぼーっとなっちゃうようなものすごい綺麗な女の人は、おかしくなっちゃってた取手クンを一瞬で倒してしまった。
もーホントに一瞬。
何か光ったような気もしたけど、あたしには早すぎて全然わかんなかったんだよねー。隣にいた皆守クンが「馬鹿な・・」とかなんとか言ってたみたいだけど、皆守クンには何か見えたのかなぁ。
でも、凄かったのはそこから、だった。
ぐったり倒れちゃった取手クンの身体から黒い砂みたいなものが出てきたと思ったら、その黒いものが集まって大きなおばけになっちゃったのッ!!今までも変なおばけが出てきたけど、こんな大きくて怖そうなのは初めてだし、それに今までのおばけは全部葉佩クンが銃で倒してたし、もうどうしよう!ってパニックになりかけたあたしの目の前で、緋勇サン・・ああもういいや、緋勇クンで!でね、緋勇クンが、皆守クンの方を振り返って言ったの。
「ごめんね、この子をお願い」
その声は・・・・間違いなく、女の人の優しい声だった。
「・・あ、ああ・・・」
皆守クンは慌てたように緋勇クンに駆け寄って、気を失ったままの取手クンを受け取った。
「ありがとう」
お礼を言った緋勇クンは、迷いもしないで真っ直ぐその大きなおばけに向かって行った。
「お、おい!」
止めようとする皆守クンの前に、『邪魔するな』とでも言ってるみたいにカラスのCROWクン・・・えーと、こっちも葉佩クンでいいやッ!葉佩クンがばさばさ羽ばたいてから降り立った。
そして、それに気を取られてる間に、緋勇クンはおばけの前に進み出て・・・・。
「おいで。あなたの役目を終わりにしてあげる」
そんな優しい声と一緒に、飛びかかってくるおばけに手を伸ばした。
ただ伸ばしただけ。
何もしていないはずなのに、おばけは、緋勇クンに襲いかかろうとした姿勢のままで止まった。
「あッ・・!」
違う、止まったんじゃなかった。緋勇クンの細い腕が、何倍も大きなそのおばけを、止めていたんだ。
「・・・・・おやすみなさい」
少し悲しそうに緋勇クンが言うと、おばけがふわーっと金の光に包まれて、それから、ゆっくり消えていった。
・・・・今の、なに?
びっくりして口を開けたままのあたしと、多分同じようにびっくりして口もきけないんだろう皆守クン。
そのびっくりした目の中心にいる緋勇クンは、おばけがキレイに消えてしまった後、まるでなんにもなかったみたいにあたしたちの前まで戻ってきた。
「・・・元に戻ると制服のサイズが合わないのね。ミサちゃんに何とかして貰えないかな」
その途中、ちょっと困ったような独り言が聞こえてきて、あたしは『ミサちゃん』というのが誰なのかすごーく気になったりしたんだけど・・・。
緋勇クンが正面に立ったとき、またしてもそんなことは頭の中からすっ飛んじゃった。
だって、だって、もう本当に本当にキレイなんだもん・・。
男の子の時もキレイだったし、ドキドキしたけど、今の方がそれよりもっとキレイ。・・というか、キレイなのにカワイイ・・!
長い黒髪は少しだけ端っこがくるん、とくせっ毛で、緋勇クンが歩くとふわんと揺れる。
女の人としては背が高いけど、くりくりっとした大きな目が可愛くて、なんだかちっちゃいように錯覚しちゃう。
きっと年はあたしたちより上・・ヒナ先生と同じか、もうちょっと下かなぁ、そのくらいに見えるんだけど、でもとにかくキレイでカワイイ。
どうしよーッ、ドキドキしてきたよ!あたしッ女の人にドキドキしたのなんて初めてなんだけどーッ!!
なーんてあたしが1人で真っ赤になってへたり込んでたら、緋勇クンがこっちを見て、にこっと笑った。
「驚かせてごめんなさいね。・・こっちの姿だと話し難いかな。九龍」
「カァ」
呼ばれた葉佩クンが嬉しそうに緋勇クンの肩に留まる。緋勇クンは葉佩クンの頭をちょん、と指でつついた。
「・・段々馴染んで来てない?解呪するから降りてね」
「・・かー」
不本意そうな鳴き声に、なんだかちょっとおかしくなって吹き出しちゃった。カラスになっても葉佩クンてば葉佩クンなんだなー。
葉佩クンが飛び立つと、緋勇クンはさっき聞いたのと同じような言葉を唱えた。・・・変身の呪文・・???
「葉佩九龍を捕らえし呪式を我が身に降ろす。・・我が名『龍音』を今ひとたび『龍麻』とせよ」
たつね・・?それが、緋勇クンのホントの名前なの?
ハテナいっぱいのあたしは2度目になる『変身』をじーっと見つめてた。
カラスの黒い羽がばーっと広がったかと思うと、その羽の間からにょきっと人間の足が伸びた。羽ばたいた翼が一気に人間の腕に替わり、その姿が葉佩クンになる。うひゃー、ほ、ホントに映画かアニメみたい・・。
その横で、緋勇クンの長い黒髪がふわっと舞い上がったかと思うと肩のあたりまでの部分が魔法みたいに消えた。細い手足がすっと伸びて男の子のサイズになる(それでもかなり細いんだけど)。
振り向いたその姿は・・・転校してきた時のままの『緋勇クン』だった。
「おまえら、一体・・」
あの皆守クンが、動揺しまくりな声でそう聞いた。
うん、流石にこれは誰でもそう聞くよね・・あたしも聞きたい!
と、意気込んだのだけれども、それはあっさり緋勇クンと葉佩クンの言葉に先延ばしにされちゃった。
「・・その話は・・」
「ま、外に出てからにしよーヨ。取手もそろそろ気が付くだろーしさ」
・・まぁ確かにこんなとこじゃゆっくり話もできないんだけど・・。
で、結局。
その後、気が付いた取手クンは、元の取手クンに戻ってた。
「ありがとう」って言ってくれて、嬉しかったなぁ。
緋勇クンたちにもこれから協力したいって!うんうん、これこそ青春だよね!
・・・って。
肝心の話はどうなったのかって?
・・・それが、またもあっさり先延ばしにされちゃった・・・。
「取手君はまだ本調子じゃないだろう。長話は明日にして、今日はもう帰った方がいい。それに・・」
それに?
「・・・僕たちも、『昼』の方が話しやすいんだ」
意味深に微笑んだ緋勇クンに、あたしも皆守クンも、全然逆らえなかったんだ〜・・・。
ああもう!気になる〜ッ!!君たちって本当に何者なのッ?
TO BE CONTINUED。
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さてさて、まだ正体不明なままの変身緋勇&葉佩。詳しいネタばらしまでもうちょっとかかりそうです。
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